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美容室で行うカラーの乳化とは?毛髪診断士が解説!!
今回は、美容室(サロン)で行うカラーの乳化ついて、お話ししたいと思います!
●一般的なカラーリング(アルカリ又は弱アルカリカラー剤使用(白髪染めも))の場合
※カラーの乳化とは・・・・カラー剤を塗布、放置後(カラー剤の種類によって放置時間は変わります)シャンプーする前に、カラー剤がついている状態で、シャンプーボールにお湯を溜め、カラー剤とお湯が混じりあった溶液で繰り返しすすぐ事です!
ポイントは酸リンスを用いてphを下げながら乳化を行う事です。(お湯のみの乳化だとphがあまり下がらない為)
カラーの乳化を含めた中間処理が、どうして必要か?というと、本来、髪の毛のPH(ペーハー)はPH4.5~5.5の弱酸性ですが、カラー剤が塗布されている髪はPH10前後の強アルカリ性になっており、膨潤し、キューティクルが過剰に立ち上がっている状態です。
その状態で、乳化をせずに、そのままシャンプーを行うと、キューティクルをはがしてしまう恐れがあり、また、仕上がりの手触りにザラつきが出るばかりか、タンパク質や※CMCの流出が起こりダメージの原因になります!
皆さんの行かれているサロンさんは、カラーの乳化を含めた中間処理をしているか?していないか?不安な方もいらっしゃると思いますが、簡単に見分ける方法があります!
それは、カラー剤を塗布、放置後、上記の乳化工程を行わずに、そのままシャンプー工程を行うサロンさんは中間処理をしていません!!
※カラーの乳化時までにできること※
ー髪質改善ー
カラー剤のアルカリによって、髪は膨潤しています。ダメージによりできたボイド(ダメージホール)を、PPT(小さくしたタンパク質)導入により埋めます。ケラチンやシルク、コラーゲンなどのPPTを用いると髪質が改善できます。また、膨潤しすぎて太くなってしまった髪にはポリフェノールの収れん作用を利用することで、太さを元の状態に戻します。
ーCMCの補修ー
アルカリカラー剤によって、髪のCMC等の内部物質が流出し、髪は油分不足でバサバサになります。そこでCMC等のオイル補給を行う必要があります。
ーキューティクル保護ー
(画像1)のように、カラー剤が塗布されている髪の毛は、アルカリによりキューティクルが立ち上がっている状態です。その状態で乳化を行うと、キューティクルを剥がしてしまう恐れがあります。従って、乳化工程までに接着CMCを塗布し、かつキューティクルがおさまるように酸リンスを用いて、pHを8くらいまで下げながら乳化し、キューティクルの剥離を防ぎます。
(画像1)
(上)カラー剤が塗布されているPH10前後の強アルカリ性になり、毛髪が膨潤し、キューティクルが過剰に立ち上がっている状態。
(中)乳化時に、酸リンスを用いてpHを下げ(ph7.5~ph8)、キューティクルがおさまった状態。
(下)後処理でも酸リンスを用い、髪本来のPH4.5~5.5の弱酸性に戻りキューティクルが閉じた状態。
ー乳化してpH7.5~8へー
乳化時には、酸リンスを用いてpHを下げる必要があります。しかしながら、カラー剤はアルカリが強くすぐにpHは下がらないため、後に行う後処理でも酸リンスを用いる必要があります。この時、重要なポイントとなるのが、キューティクルを保護することです。染色してもキューティクルが損傷したままでは、染料は流れ出てしまいます。そこで、疑似キューティクルであるキトサンが有効になります。
※上記の理由から、乳化を含めたカラーの中間処理はとっても大切な工程になります!!!
ヘアクリニックサロン ルーネラパンでは、カラー剤が塗布されている状態で(画像2)のようにPPT(タンパク質)でダメージホールの補修、※CMCの補給、酸リンスでキューティクルを閉じてから、※乳化+シャンプーをし、ダメージさせないように、更にタンパク質や※CMCなどの栄養分をたっぷりと補給し、施術前よりコンディションを改善するように、疎水(ソスイ)トリートメントカラー施術を行っています!
※CMC・・・・接着成分(詳細は前記ブログ参照) CMCが減少すると、枝毛、切れ毛になります。
※酸リンス・・・PH(ペーハー)調整剤。カラーリングやパーマ、縮毛矯正施術の中間処理や後処理に使用し、アルカリに傾いた毛髪のペーハーを髪本来の弱酸性に戻す毛髪処理剤。
※キトサン・・・カニの甲羅から得られる天然のポリマー。擬似キューティクルを形成し、毛髪内部のタンパク質やCMCが流出しないようにコートします。毛髪をダメージから守り、ツヤを与えます。